女性泌尿器科

泌尿器科とは

泌尿器科は、腎臓、尿管、膀胱、前立腺など、「尿の産生から排尿までの尿路」に関係する臓器を対象とする診療科です。
女性泌尿器科では、男女の性差に配慮し、女性の患者さんのQOL(生活の質)の向上を目指しています。
女性に抵抗無く受診していただける診療科ですので、おしっこの問題や骨盤臓器脱(性器脱)などについても、一人で悩んでおらずに、お気軽にご相談ください。

こんな症状でお悩みではありませんか?

  • 尿咳やくしゃみで尿が漏れる
  • 尿に血が混じる
  • おしっこが近い、回数が多い
  • 夜間、何度もおしっこに起きる
  • 尿が残っている感じがする
  • 腟から丸いものが脱出する
  • 足がむくむ
  • 腰や背中が痛む
  • 腎臓のあたりが痛む
  • 尿道から膿が出た
  • 尿路(腎臓、尿管、膀胱)に結石がある
  • 慢性骨盤痛症候群(明らかな原因が無いのに、下腹部痛がある) など

女性泌尿器科の対象となる疾患

過活動膀胱について

「尿意切迫感(突然現れる強い尿意)を主症状とし、頻尿あるいは切迫性尿失禁をともなう自覚症状を特徴とする症状症候群」と定義されています。トイレに行きたくなると我慢できない、または、トイレに行きたくなると我慢できずに漏れてしまう方はこの病気の可能性があります。
40歳以上の15%程度にこのような症状があり、70歳以上では男女とも3人に1人は過活動膀胱との報告もあり、加齢に伴い患者さんの数は増加します。その治療は内服治療が中心です。
通常の内服治療を行っても十分効果が得られない重症の方には、ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法という新しい治療も始められています。
診断や治療は頻尿と同様です。

頻尿について

尿の回数が多い状態。通常日中であれば8回以上、夜間は1回以上あれば頻尿といえますが尿量は水分の摂取量などによりかわりますので、たくさん水分を取っている場合にはこの限りではありません。
初診時に尿検査を行ったあと、お話を聞いて診断し、エコー検査や尿流量検査などを行うこともあります。ご自宅で1日の排尿時間、1回ごとの尿量、尿もれの有無、摂取した水分量を記録していただく、排尿日誌をつけて頂くこともあります。
治療としては行動療法や内服治療などを行います。

夜間頻尿について

夜間に1回以上、トイレに起きる。
起きてしまう理由としては強い尿意や睡眠障害、夜間に尿が多く作られる、睡眠時無呼吸症候群など、原因はいくつか考えられます。
診断や治療は頻尿と同様です。

夜間多尿について

睡眠の深さや多飲が原因となることが考えられます。
夜間の尿量が昼間と比べても多くなってしまう状態、一般的には一日の尿量全部の3分の1以上が夜間に出ている人を指します。
その他、糖尿病・高血圧症・睡眠時無呼吸症候群が基礎疾患として影響している場合があります。
診断や治療は頻尿と同様です。

尿路結石について

一般的には男性に尿路結石が多く、約7人に1人に結石があることが分かっています(女性は12人に1人程度)。体質・家族歴・食生活などが重要視されます。
腎臓で出来た結石が、なんらかのきっかけで尿管内に落ちて、尿管で引っかかった際に尿管が拡張したり、痙攣することで痛みが誘発されると考えられています。
痛みは左右どちらかの腰背部の強い痛み、下腹部の違和感、同側の睾丸に響く痛み、頻尿、残尿感として感じることもあります。また、痛みとともに肉眼的血尿を認めることがあります。
結石の有無は検尿や画像検査(レントゲン、CT、超音波)や自覚症状で判定していきます。 
結石の大きさや場所で、結石を砕くような治療が必要なのか、ご自身で排石できるのかを判断します。
よく結石が溶ける薬とか、結石が出易くなる薬がないかと頼まれます。実際に無い訳ではないのですが、即効性がないので基本的には鎮痛薬での対応がメインになります。痛みが強ければ坐薬や点滴で痛みを抑えます。
通常、5mm以下の結石(最大1cm程度まで)は自然に排石が期待できます。毎日、よく尿を観察しておきましょう。結石が小さいと出てもわかりにくいので、1ヶ月を目安に画像の検査を行い。排石しているかどうかを確認します。
再度、結石の痛みが出るかでないか、不安な日々を送ることになるかもしれませんが、痛みが出た場合は鎮痛薬を使用し経過をみます。いずれ解決しますので頑張りましょう。
また結石を確認できたら、医療機関に持参しましょう。結石分析といって、結石の内容で今後の予防策を考えることができることもあります。

尿路結石について

血尿について

目に見える肉眼的血尿や健康診断で指摘されるような顕微鏡的血尿に大きく分かれます。
原因がわかるものには膀胱炎や尿管結石、膀胱癌、腎炎などがあります。排尿時の痛みや腹痛を伴う場合には膀胱炎や結石が疑われますが、それ以外の無症状の血尿は細かく検査しないとわからないことが多いです。また、原因がわからない突発性腎出血などもあり、目に見える血尿を認めた場合には医療機関を受診することが勧められます。

肉眼的血尿

初めて血尿を自覚した時にはとても慌ててしまうと思います。その際の注意点は、前に書いた通り、痛みなどの自覚症状があれば比較的単純な原因(膀胱炎や結石)であると考え、一旦落ち着くことです。また、血尿といっても大分濃さが違いますので、下図を参照してください。一番右側の血尿や右から2番目のような色で、あきらかに透明度のない血尿では血の部分が固まり、膀胱で詰まってしまうことがあるので要注意ですが、すぐに貧血になって倒れてしまうことはありません。まずは落ち着いて、水分を多く取って尿を薄くすることが大切です。その上で医療機関に相談してみてください。

顕微鏡的血尿

検診にてよく指摘を受けます。尿検査ではいろいろな項目がありますが、潜血が陽性でも偽陽性も、尿沈渣を施行することが必須になります。尿沈渣とは顕微鏡で赤血球などを観察し、その個数で異常があるかを判定します。毎年尿潜血陽性でも尿沈渣に異常が無い方もいらっしゃいます。尿蛋白陽性の場合は腎臓の炎症も考慮する必要があり、定期的な精密検査をお勧めしております。

顕微鏡的血尿

女性の尿失禁について

咳やくしゃみなど腹圧がかかったときに尿がもれる「腹圧性尿失禁」と、急に強い尿意がでてそれと同時もしくは尿意に引き続いて尿がもれる「切迫性尿失禁」の二つが代表的な尿失禁です。どちらか一つの場合もありますが、両方が同時に存在する「混合性尿失禁」の場合もあります。
初診時に尿検査を行ったあと、お話を聞いて診断し、場合によっては内診をしたり、超音波検査や尿流量検査などを行うこともあります。

治療

腹圧性尿失禁の場合は症状の強さや日常生活の障害の度合いに応じて異なりますが、骨盤底筋体操、行動療法、内服治療、手術(TVTスリング手術、TOTスリング手術)などがあります。切迫性尿失禁の場合は骨盤底筋体操、行動療法、内服治療などを行います。混合性尿失禁の場合は症状に応じて上記の治療を組み合わせます。

 

骨盤臓器脱について

女性の膣から子宮や膀胱、直腸などが下がっておりてくる状態です。とくに1日のうち夕方頃が多く、長時間たっていたり、重いものをもったときなどに下がってくる感じや、お風呂に入ったときに股の間になにか手に触れたりといった症状があります。
ごく軽度で症状がない場合、治療を希望されない場合はそのまま様子をみることもあります。また、手術ではない治療を希望される場合は、婦人科でリングを入れていただくことを勧める場合もあります。ご希望のある方にはメッシュ手術を行っている施設をご紹介します。

間質性膀胱炎について

頻尿や尿意を強く感じたり、膀胱不快感や尿がたまると膀胱が痛くなるなどという症状がでる病気です。
まだ原因や根本治療がみつかっておらず、専門医も多くありません。2015年7月にハンナ型間質性膀胱炎は難病に指定されました。

診断

初診時に尿検査を行ったあと、お話を聞いてこの病気を疑った場合、排尿日誌をつけてきていただいた上で尿流量検査や超音波検査などを行うこともあります。その上で外来で膀胱鏡検査をおこなって診断します。

治療

行動療法(飲水や食事のアドバイスやリラックスの方法)の指導に加え、内服治療、手術(膀胱水圧拡張術)などを行います。

尿道ポリープについて

尿道カルンクルともいわれ、更年期を過ぎた女性にみられることが多い病気です。尿道カルンクルとは、中年以降女性の尿道後壁にできる小豆大くらいの赤色の良性腫瘍です。尿道カルンクルから悪性の尿道がんへ進展することはまずありません。尿道出口の6時方向(肛門よりの側)にでき、大きくなると出血したり、すれて痛んだり、尿がでにくくなることがあります。小さなものは症状がないことが多く、その場合は治療は不要です。
出血や痛みがある場合は手術をすることもありますが、内服治療や行動療法(いきむような動作を避ける)で手術をしない場合もあります。

膀胱がんについて

膀胱にできる癌で、自覚症状のない血尿が出た際に注意が必要です。早期発見の場合は、内視鏡の手術が可能ですが、進行している場合は、摘出手術が必要になります。
症状で最も多いのは無痛性血尿(85%)です。膀胱鏡的に同定できる膀胱腫瘍のほとんどすべては、少なくとも顕微鏡的血尿を示すとされます。血尿は間欠的なことが多く、1-2回の陰性結果では膀胱腫瘍を除外できません。
膀胱癌を疑う場合には、尿細胞診検査・超音波検査、膀胱鏡検査・CT検査など行い診断致します。

はなしま泌尿器科クリニック
診療内容泌尿器科
住所千葉県八千代市大和田新田510-2
プログレス花通1-A
※駐車場あり(11台)
TEL047-459-7755
アクセス東葉高速鉄道【八千代中央駅】より徒歩7分
東洋バス【ゆりのき台三丁目】降車目の前
診療時間 日祝
9:00~12:30
15:00~18:30

水曜午後:15:00-20:00 休診:木曜・日曜・祝日
※受付は診療時間の30分前まで

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